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2010年 03月 31日

Spring snow


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君憂い 佐保姫 流す なみだ雪


“春雪(haru-yuki)”
Nikon D70



一昨日の夕方、大好きだった叔父が亡くなった報せを受けた。
もう引退して随分経つが、遠洋のマグロ漁船に乗っていた酒と映画が大好きだった叔父。


叔父には一人息子が居たが、随分と小さい頃に亡くなってしまっていた。
その子が生きていたら私と同じ年だったこともあったのか、
父の田舎の八戸に遊びに行く度、その叔父は、
「さおりちゃん、さおりちゃん」と
顔中を皺だらけにしてニコニコしながら名前を呼んでくれて、私を可愛がってくれた。

私に初めて酒を飲ませてくれたのは叔父だった。
美味しいお魚を送ってくれるのは叔父だった。
黒い長靴を履いて、ニットの帽子を被り、鼻の頭とほっぺたを赤くして
朗らかに笑う、楽しい楽しい叔父だった。

顔を見に行きたかったのだが、今日は最後の仕事の日。
八戸の慣習で、葬式の前には叔父はすでにお骨になってしまうので
残念ながら間に合わない。
父に「後でゆっくり会いに行けばいい。」と言われ、
とてもとても辛かったが、そうすることにした。
そのかわり、昨晩車で出かけた両親に、
私の分まで沢山叔父と話してきてほしいということを伝えた。


昨年の1月。
私はニュースで八戸が大雪だということを知り、居ても立ってもいれず、
新幹線に飛び乗って、雪と海の写真を撮りに行った。
その時、24時間弱の滞在の最後、会えないと思ってたのだが、
私はこの叔父夫婦に会うことが出来た。

あの時の笑顔が私が見た叔父の最後の笑顔になってしまった。

今更ながら思う。
なぜ、あの時持っていったMZ-3で、叔父の笑顔を撮ってあげなかったのだろうか?
私は後にも先にもこんなにも人の写真を撮らなかったことに後悔をしたことがない。
なぜフィルムに、叔父の笑顔を焼きつけてこなかったのだろうか?



少し落ち着いたら会いに行こうと思う。
その時は、撮れなかった叔父の分まで、叔母の写真を撮ってこようと思う。
空に昇ったか、海に戻ったかはわからないけれど、きっと見てくれている叔父に、
自分が撮った写真を見せてこようと、思う。


先週末から立て続いた、立場も付き合いも全く異なる2人の死は
どちらも同じように私の胸に響いて、私に大事なものを残してくれた気がします。
たった2回だけの出会いのEさんも、私が子供のころから知っている叔父も、
どちらも私の人生にきちんと影響してくれた。

神様の懐に抱かれて、2人ともきっと今頃は穏やかでいるだろう。

おやすみなさい。また、いつか。
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by top-to-toe | 2010-03-31 07:06 | Nikon 写真


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