2010年 10月 17日
"no title" Nikon D70 ☆Saori Misawa Official Web Site "saorimisawa.com" 写真・イラスト関連のお仕事受承ります♪詳しくはウェブサイトで。 ※第9回レイノカイの開催が決定致しました。12/4の予定です。 開催地は神戸になります。今回の幹事はシャシンアニキ。(エキサイトブログ停止中。) 私はちょっとお手伝い♪ 参加ご希望の方、こちらに鍵コメで御連絡下さいませ~。 ツアーの始めは庭先でこの工房がどのようなことをやっているのかの話。 小さな工房なのだが、世界規模で香水や香水の元を輸出しているそうだ。利益や費用の額を聞くと驚く。 ラベンダーは特に扱う香りらしいが、どこの国のものを使っているかなど、話が面白い。 日本にはあるの?と聞かれたので一応北海道に有名な畑があるが、 経験談で香りがこちらのものより若干弱いような気がすると答えた。 ワインの事を考えれば容易に想像がつくだろうけど、 同じ種類のブドウを育てても、その土地の気候や土壌で香りや味が大きく変わってくる。 花だって同じ。同じようでどこか違う事が多いのだ。 何はともあれ、使用する香りを持つ花を選びに選びぬき、そこからオイル(精油)を取り、 そのオイルを混ぜ合わせて香水や香料を作るわけだが、 この工程は知っている人であれば大変な事がよくわかるだろう。 香料は莫大な富を生む。何故なら生活品のありとあらゆるものに香りは使われるからである。 なので例えば調香の比率なんかは絶対的なシークレット、なのである。 香水生産なんてこの最たるものであるのだ。 (この辺の話を知りたい方は数年前に出版された「匂いの帝王」という本を読んでみる事をお勧めします。 化学式なんかが若干入ってきますが、それでも読みやすく、また小説っぽいところもあるので面白いです。) 話を聞きながらガーデンを回ると続いてJohnさんは香りの表現に関する事をおしえてくれる。 薔薇の葉っぱを手に取りよく指先ですり潰し匂いを嗅ぐと….本当だ、appleの香りがする。 「次はこのハーブを嗅いでみて。食べてもいいよ。」 どうやらフェンネル。 口に運んでどんな香りがするかを聞かれたので「アニス。ペルノ(酒)なんかにも使われてますね。」と答えると正解。 ふふん。この香りは得意よ。だって実験やってたもんね♪ ヨーロッパ人はアニスの香りが好きな人が多い。 特にフランスではこの香りのお酒を好む人はとても多くいます。 ところが日本人はこの香りを嫌いと言う人が多かった。 (最近はハーブが身近で売っていて、慣れた人もいるだろうから減ってるとは思うけど。) 何故なら体験がほぼ無い香りだからである。大抵人は新奇刺激を避ける傾向にあるのだ。 その事を話すと「君はアニスの香り好き?」と質問されたので「大好き」と答えた。 隣の夫婦の旦那様の方が答える。「だってお酒好きそうだもんねぇ。」 本当に楽しい(でも何故か初対面なのに皆からからかわれる私。)冗談が飛び交う、なんとも楽しいツアーである。 その後工房の中に入り、製品作成に当たっての化学的な説明も行われるが、何故だか金の話が多い。(笑) 結構英語が難しいのだが、専門用語が入ってくるので助かった。 それにしてもこのご夫婦はよくこの専門用語についてってるなぁ。 Sさんは大学で講師してた研究者だからわかるけど。まぁ、イギリス人だもんね。 英語は母国語なわけだし、専門用語自体が理解出来なくても話は解るか。 専門と専門外が混じって真剣にディスカッション。 「あぁ、そうか。こういう疑問もあるのか。」と学会発表してた頃を思い出しました♪ 精油を取る部屋は意外に狭いが、とにかく臭気が強くて一瞬気分が悪くなった。 いい香りでも強すぎる香りというのはきつい。慣れてたはずの私でさえ。うぇー。 Johnさんの話は続く。集中力が減り、言葉がわからなくなってきた。 出来るだけ遠いところを見てとりあえずやり過ごす。 最後は香水調合と製品をパッキングをする場所へ。 スタッフはあまり多くは無いが、注文に対する納期は余裕を取っているし、 作れる量は決まっているので大丈夫なんだそうである。 確かに世界にある大きな香料メーカーって限られてる。多分こういう小規模の工房の方が多いのだろうな。 「日本で有名なのはTakasago(高砂香料)だね。」との問いに そういえば私は高砂と資生堂(もちろんこの2つは香りの世界では知らない人がいない。)との 共同研究に加わった事があるよと話すとJohnさんはなんだかとても嬉しそうだった。 研究したことのある人のこういう同業者嬉しいです感覚ってわかる気はする。 一番最後にファクトリーで生産している香水の話になった。 なんでも日本人のお客さんの90%(ってか100%かも?って笑ってた。)は イングリッシュローズの香水を購入していくそうである。 「何故だかわからないけど、皆手に取るんだよ。」 このツアーに参加する前に私も嗅いだが、私の好みではなかった。Sさんも好みじゃなかったらしい。 「もしかしたら口コミなのかなぁ?一つ選ぶならこれよって感じの。」って言ったら 隣に居た旦那様が「だって女性だもの。」と言う。”右に習え”的なしぐさを添えて。 奥様も「そうね、女性はそういうものよ。」と言うので吹きだしてしまった。(笑) 最後に質問は?と言うので4人が4人質問した。 「自社製品を除いて、世界中の香水のどれが一番好き?」 左端で一番最後の質問は私だった。 少し考えて彼は答える。「んー。ゲラン。」 確かにミツコは芸術品だと答えたら、「あぁいう香水を作りたいね。」と。 あぁ、そうなんだよね。世界中の女性がつける名品。 確かにそういう1本を作れたと事実は調香師にとっては最大の名誉になるものね。 (ミツコは発売されてから100年近く経ちます。香水作成者の憧れの香りの1つです。) Johnさんが終了を告げ、彼とイギリス人夫妻と握手をしてから工房を出た。 こういう小さな専門性の高いツアーはあまり行った事が無かったのだけど大変面白かった。 今度また見つけたら積極的に参加してみよう、と思う。 英語がわかる方なら楽しめると思いますよ。是非。 さ、この後コッツウォルズ滞在の最後の宿があるCirencesterへ向かったのであるが….、 この街で私はとても不思議な出会いをするのである。 その10へ続く。 昨日の滞在記に載せたカフェのメニュー。 ね、結構な品ぞろえでしょ?これなら来る人も嬉しいだろうね。
by top-to-toe
| 2010-10-17 15:24
| Nikon 写真
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